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2024年02月12日
差し押えたパソコンに対する検証許可状を得てサーバにアクセスし,メール等を閲覧するなどの検証をして作成された検証調書等の証拠能力を否定したものの,その他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして証拠能力を認めた原判決の判断が是認された事例

差し押えたパソコンに対する検証許可状を得てサーバにアクセスし,メール等を閲覧するなどの検証をして作成された検証調書等の証拠能力を否定したものの,その他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして証拠能力を認めた原判決の判断が是認された事例

 

東京高等裁判所判決/平成28年(う)第727号

平成28年12月7日

有印私文書偽造,有印公文書偽造,建造物損壊,非現住建造物等放火被告事件

【判示事項】    差し押えたパソコンに対する検証許可状を得てサーバにアクセスし,メール等を閲覧するなどの検証をして作成された検証調書等の証拠能力を否定したものの,その他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして証拠能力を認めた原判決の判断が是認された事例

【判決要旨】    差し押えたパソコンに対する検証許可状を得て,差押え後に把握したパスワードを用いてサーバにアクセスし,メール等を閲覧,保存した警察官の行為は,検証許可状に基づいて行うことができない強制処分を行ったものであり,パソコンを差し押さえた捜索差押許可状にはいわゆるリモートアクセスによる複写の処分が許可されていたことなどを考慮しても,違法の程度は重大であるとして,検証調書等の証拠能力を否定したものの,弁護人が証拠排除を求めたその他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして,証拠能力を認めた原判決の判断は是認できる。

【参照条文】    刑事訴訟法218-1

          刑事訴訟法218-2

          刑事訴訟法197-1

【掲載誌】     高等裁判所刑事判例集69巻2号5頁

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