交通事故・相続・債権回収でお困りの方はお気軽にご相談下さい

法律相談のご予約・お問い合わせはこちらまで03−6904−7423
新着情報
2024年04月16日
会社法の令和元年改正3-6 第6章 業務執行の社外取締役への委託に関する規律の見直し

第6章 業務執行の社外取締役への委託に関する規律の見直し

1,改正

業務執行について社外取締役へ委託した場合の扱いについて、規定が新設されました(①)。 改正法348条の2が改正により新設された条文となります。

 

旧法下においては、社外取締役が業務を執行した場合、社外性を失うこととなっていました。社外取締役は、2条15号において 要件が示されています。社外取締役が業務を執行した場合、業務執行取締役に該当することになり、社外性を失うことになります(2条15号イ参照)。

 

今回の改正では、一定の要件のもとでは業務執行をしても社外性を失わないこととされました。業務執行による社外性の喪失により、 社外取締役が期待されている行為をすることが妨げられることがないようにする必要性が指摘されており、これに対応したものです。

 

改正法348条の2第1項は、ⅰ会社と取締役の利益が相反する状況にあるとき、 または、ⅱその他取締役が会社の業務執行をすることにより株主の利益を損なうおそれがあるとき、には、 その都度、取締役(取締役会設置会社の場合は取締役会)の決定により、当該会社の 業務執行を社外取締役に委託することができる、と定めました。

 

マネジメント・バイアウトの場面や、親子会社間取引の場面がこれにあたるものとして考えられ、こうした場面での社外取締役への 当該業務執行の委託が可能となります。

そして、 この決定に従って社外取締役が業務を執行したとしても、2条15号イの業務執行には該当しないものとされています(改正法348条の2第3項)。

 

したがって、上記要件の下で委託を受けた業務執行は社外性の喪失にはつながりません。なお、社外取締役が、 業務執行取締役の指揮命令により委託業務の執行を行った場合には、業務執行該当性が認められ、社外性を失うこととなります。

 

指名委員会等設置会社においても、会社と執行役との利益が相反する状況にあるときには、または執行役の業務執行で 株主の利益を損なうおそれがあるときには、同様に取締役会の決議により、社外取締役への業務執行の委託が認められています(改正法348条の2第2項)。

 

具体的には、「会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるとき」は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社の場合は取締役会の決議)によって、会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができるものとされ、かかる委託によりなされた業務の執行は、その業務執行が業務執行取締役の指揮命令によりなされた場合を除き、社外取締役の要件を定める会社法第2条第15号イの「業務の執行」に該当しないものとされました(執行役が業務執行を担う指名委員会等設置会社に関しては、条文上の文言が微調整されています。)。

 

この改正は、社外取締役を置くことが法令上求められる会社や、株主利益を考慮した公正担保のために社外取締役への業務委託が必要になるケースで問題となる事項であるため、主に上場会社に関係する改正と考えられます。

 

top

法律相談のご予約・お問い合わせはこちらまで03−6904−7423