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2024年04月13日
司法試験の選択科目の傾向

司法試験の選択科目の傾向



・旧司法試験

旧司法試験に法律選択科目があった当時では、以下の科目であった。

行政法、破産法、労働法、国際私法、国際公法、

(なお、それ以外に、刑事政策があったが、新司法試験では廃止)



・行政法は必須科目となった。



・倒産法

旧試験では、ほぼ破産法だけが出題され、条文数も少なく、合格しやすい科目と言われていた。

新司法試験では、破産法と民事再生法が主題範囲となった。破産法と民事再生法は共通する考え方の条文が多く、破産法をしっかりと勉強すれば、破産法と異なる民事再生法の独自の条文を勉強すれば、合格しやすいようである。分量的には1・5科目分であろう。

破産法は、明治時代に旧破産法があり、古くから学問的業績も多い。最高裁判例も多数ある。

また、旧司法試験の過去問もあり、対策も立てやすい。

法科大学院生も、不況の影響もあり、司法試験合格後の進路を考えて、有用性の高い倒産法を選択したのであろうか。

なお、受験者と合格者の選択科目で、平成24年の司法試験の合格率に有意な差が認められたのは、倒産法だけであった。



・労働法

新司法試験でも、おおむね個別労働法(労働基準法、労働契約法など)と集団的労働法(労働組合法など)から出題されており、出題範囲はおおむね旧司法試験と同様である。

分量的に2科目分である。

労働法は、第二次大戦後に発展した科目であり、古くから学問的業績も多い。最高裁判例も多数ある。

また、旧司法試験の過去問もあり、対策も立てやすい。



・知的財産法

新司法試験で新設された。

出題範囲は、特許法、著作権法の2科目である。

特許法は、第二次大戦後に発展した科目であり、古くから学問的業績も多い。最高裁判例も多数ある。典型論点も明確である。

また、弁理士試験の過去問もあり、対策も立てやすい。

著作権法は、第二次大戦後に発展した科目であり、比較的古くから学問的業績も多い。最高裁判例は少ないながらある。

ただし、通説(文化庁・文部科学省の見解)があるものの、下級審裁判例や有力な学説が異なる見解を取っていたりするので、あまり学説の対立に深みにはまらないようにしたい(頭の体操には良いが)。

また、弁理士試験の過去問もあり、対策も立てやすい。

受験生の間では、新司法試験導入時に小泉内閣が知的財産権重視の政策を取り、出題範囲も明確で、出題の難易度もそれほど難しくなく、合格しやすいと言われていた。

新司法試験導入当時は、倒産法、労働法、知的財産法の3科目が選択者が多く「メジャーな科目」と言われていた。

しかし、その後、選択科目として選択する合格者が減少した理由は、不明である。



・経済法

新司法試験で新設された。

主題範囲は、独禁法である。

独禁法は、第二次大戦後に発展した科目であり、比較的古くから学問的業績も多い。最高裁判例は少ないながらある。



・租税法

新司法試験で新設された。

主題範囲は、所得税法を中心として、法人税法などである。

現行の税法は、第二次大戦後に発展した科目であり、比較的古くから学問的業績も多い。最高裁の判例は、非公式のものを含めると、比較的多数ある。

法科大学院では開講している学校は多いものの、単位数は少ないようである。

法務省は司法試験の選択科目とするためには大半の法科大学院で4単位を目安としている。

司法試験に合格するためには、法科大学院の授業が最低でも8単位は必要であろう。



・環境法

新司法試験で新設された。

主題範囲は、約10の法律を中心としている。

環境法は、昭和の高度成長期後(1960年代)以降に発展した科目であり、比較的新しい学問である。

最高裁の判例は、少ない。

法科大学院では開講している学校も少ないし、単位数も少ない。



・国際関係法(私法)

旧司法試験でも選択科目であった。旧司法試験では、出題範囲が狭く、最も分量が少ない科目と言われていた。

新司法試験でも、出題範囲が狭く、最も分量が少ない科目ではないかと思われる。

また、旧司法試験の過去問(ただし、旧法に関するもの)もある。

最高裁の判例は、少ない。



・国際関係法(公法)

旧司法試験でも選択科目であった。

条約などが対象であり、出題範囲は広い。

また、旧司法試験の過去問もある。





・それ以外の科目について(司法試験の科目とされていない科目)

法務省は司法試験の選択科目とするためには、学問として確立していること(受験生から見れば出題範囲が明確であること)、大半の法科大学院で4単位を目安としている。

司法試験に合格するためには、法科大学院の授業が最低でも8単位は必要であろう。



社会保障法については、行政法と出題範囲が重複するし、法科大学院でも開講している学校も少なく、2単位が多いとされている。



金融法・金融商品取引法については、民事法や行政法と出題範囲が重複するし、法科大学院でも開講している学校も少なく、2単位が多いとされている。



消費者法については、他の科目と比べて分量も範囲が狭く、民事法や行政法と出題範囲が重複するし、法科大学院でも開講している学校は多いが、2単位が多いとされている。

 

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