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2024年04月09日
わいわいランド事件・保育所経営会社Y社とX1との間の雇用契約につき,平成11年3月27日に代表者Yが受託保育所のトレーナーの雇入通知表を渡し,これにX1が就労開始日を同年4月5日として,Yの承諾を得たことにより,期間の定めのない契約が締結されたものとされた例

わいわいランド事件・保育所経営会社Y社とX1との間の雇用契約につき,平成11年3月27日に代表者Yが受託保育所のトレーナーの雇入通知表を渡し,これにX1が就労開始日を同年4月5日として,Yの承諾を得たことにより,期間の定めのない契約が締結されたものとされた例

 

 

              損害賠償等請求控訴事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/平成12年(ネ)第2601号、平成12年(ネ)第2602号

【判決日付】      平成13年3月6日

【判示事項】      1 保育所経営会社Y社とX1との間の雇用契約につき,平成11年3月27日に代表者Yが受託保育所のトレーナーの雇入通知表を渡し,これにX1が就労開始日を同年4月5日として,Yの承諾を得たことにより,期間の定めのない契約が締結されたものとされた例

             2 Y社とX2との間の雇用契約につき,X2がY社の平成11年3月27日の雇入通知表の交付に際し「考えさせてほしい」として合意を留保していることから,成立していないとされた例

             3 Y社によるX1の解雇は,Y社が予定していたZの保育業務の委託を受けることができなくなったことを理由とするものであり,X1もそこを職場とすることを予定として雇用契約を結んだものであるから,権利の濫用や信義別に達反するとはいえないとされた例

             4 YによるX1に対する解雇通知は,即時解雇としての効力を生じないが,特段の事情がない限り,通知後、労働基準法20条所定の30日の期間を経過したときに解雇の効力が生じるから,解雇予告手当の支払請求権が生じるわけではないとして,解雇予告手当支払請求を認容した一審判決を取り消し,X1は本件解雇の生じるまでの期間(1か月分)の賃金請求をなすことができるとされた例

             5 Yは,Xらの信頼にこたえて,自ら示した雇用条件をもってXらの雇用を実現し雇用を続けることができるよう配慮すべき信義則上の注意義務があったというべきであり,また,副次的にはXらがYを信頼したことによって発生することのある損害を抑止するために,雇用の実現,継続に関係する客観的な事情を説明する義務があったとされた例

             6 保育業務の委託契約の成立を前提とするXらへの雇用契約の勧誘,その不成立の結果としてのXらの失職につき,Yの一連の行為は,全体としてこれをみると,Xらが雇用の場を得て賃金を得ることができた法的地位を違法に侵害した不法行為に当たるとして,損害賠償および慰謝料の請求が認容された例

【掲載誌】        労働判例818号73頁

 

 

事案の概要

一審被告会社Y社(わいわいランド)は,フランチャイズ方式で園長を募集する方法で小規模な無認可保育所(託児所)を経営する有限会社であり,Yはその代表者である。Yは一審被告補助参加人Z(ヤクルト販売)との間で平成11年4月開設予定の保育ルームの業務委託契約の成立を見込んでスタッフの確保を考え,一審原告X1とX2に就職の勧誘を行い,承諾を得たため,業務内容の説明,雇入通知表,予定表等の交付を行っていたところ,Zとの間の業務委託契約が成立せず,YがX1,X2に対し,「この話はなかったことに」などと述べたため,X1,X2が,Y社とXらとの間では雇用契約が成立しており,上記のYの本件通告は解雇に当たり,解雇権の濫用であると主張して,不法行為,債務不履行に基づく損害賠償の請求(主位的請求原因)と,当審予備的請求としてYにはZとの業務委託契約が未成立であったことにつき説明義務があるにもかかわらずこれを怠ったとして,説明義務違反による損害賠償を請求した事案である。

 

 

労働基準法

(解雇の予告)

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

② 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

③ 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

 

 
 
 
 
 
 

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