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2024年04月05日
会社法の令和元年改正その4 第4章 改正の目的

第4章 改正の目的

 令和元年12月4日,会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号)が成立しました(同月11日公布)。

 会社法は平成17年に制定され,平成26年に改正されました。平成26年の改正時に設けられた附則においては,平成26年改正法の施行後2年を経過した場合において,企業統治に係る制度の在り方について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて,社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずるものとされていました。また,平成26年の改正後にも,会社法の更なる見直しについて,様々な指摘がされていました。

 今回の改正は,これらの指摘等を踏まえ,会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み,株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため,会社法の一部を改正するものです。

会社法の一部を改正する法律の概要

 

○ 株主に対して早期に株主総会資料を提供し,株主による議案等の検討期間を十分に確保するため,株主総会資料を自社のホームページ等のウェブサイトに掲載し,株主に対し当該ウェブサイトのアドレス等を書面で通知する方法により,株主に対して株主総会資料を提供することができる制度を創設することとしています。

 

○ 株主提案権の濫用的な行使を制限するため,株主が同一の株主総会において提案することができる議案の数を制限することとしています。

 

○ 取締役の報酬等を決定する手続等の透明性を向上させ,また,株式会社が業績等に連動した報酬等をより適切かつ円滑に取締役に付与することができるようにするため,上場会社等の取締役会は,取締役の個人別の報酬等に関する決定方針を定めなければならないこととするとともに,上場会社が取締役の報酬等として株式の発行等をする場合には,金銭の払込み等を要しないこととするなどの規定を設けることとしています。

 

○ 役員等にインセンティブを付与するとともに,役員等の職務の執行の適正さを確保するため,役員等がその職務の執行に関して責任追及を受けるなどして生じた費用等を株式会社が補償することを約する補償契約や,役員等のために締結される保険契約に関する規定を設けることとしています。

 

○ 我が国の資本市場が全体として信頼される環境を整備するため,上場会社等に社外取締役を置くことを義務付けることとしています。

 

○ 社債の管理を自ら行う社債権者の負担を軽減するため,会社から委託を受けた第三者が,社債権者による社債の管理の補助を行う制度(社債管理補助者制度)を創設することとしています。

 

○ 企業買収に関する手続の合理化を図るため,株式会社が他の株式会社を子会社化するに当たって,自社の株式を当該他の株式会社の株主に交付することができる制度を創設することとしています。

 

今回の法改正の目的について、「会社法の一部を改正する法律」では、以下のように説明しています。

 

会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため、 株主総会資料の電子提供制度の創設、株主提案権の濫用的な行使を制限するための規定の整備、取締役に対する報酬の付与や費用 の補償等に関する規定の整備、監査役会設置会社における社外取締役の設置の義務付け等の措置を講ずる必要がある。 これが、この法律案を提出する理由である。

 

引用元│法務省「会社法の一部を改正する法律 理由」

 

また、法務省のパンフレットでは、以下のように説明しています。

 

会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図ることを 目的とするものです。これにより、日本企業のコーポレート・ガバナンスが更に向上し、日本企業の競争力や日本企業に対する内 外の投資家からの信頼がより高まり、ひいては、日本経済の成長に大きく寄与するものと期待されています。

 

引用元│法務省「パンフレット 会社法が改正されます」

 

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