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2024年03月21日
BOSS事件・ノベルティと商標法上の商品

BOSS事件・ノベルティと商標法上の商品

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      大阪地方裁判所判決/昭和61年(ワ)第7518号

【判決日付】      昭和62年8月26日

【判示事項】      被告が電子楽器に使用している商標を電子楽器の宣伝広告及び販売促進用の物品であるTシャツ等に附して顧客に無償で配布する行為は、Tシャツ等を商品とする商標の使用にはあたらないとした事例

             (ボス商標事件)

【参照条文】      商標法2

             商標法25

【掲載誌】        無体財産権関係民事・行政裁判例集19巻2号268頁

             判例タイムズ654号238頁

             判例時報1251号129頁

【評釈論文】      特許管理39巻1号45頁

             判例評論352号201頁

 

 

事案の概要

 Xは、指定商品を被服、布製身回品、寝具類(第17類)とする「BOSS」なる商標の商標権者である。

一方、Yは、楽器等の製造販売業者であり、その製造販売する電子楽器に「BOSS」の文字と図形を組み合わせた商標(別紙商標目録)を使用しているが、電子楽器の宣伝広告及び販売促進用の物品(ノベルティ)であるTシャツ等に右商標を附して、電子楽器の購入者に対し抽選等によって無償で配付していた。

XはYに対し、商標権侵害を理由に損害賠償を求めた。

 本判決は、ある物品がそれ自体独立の商品であるかそれとも他の商品の広告媒体等であるにすぎないかは、その物品がそれ自体交換価値を有し独立の商取引の目的物とされているものであるか否かによって判定すべきであると判示したうえで、本件のTシャツ等はそれ自体を取引の目的としているものではなく、将来市場で流通する蓋然性も認められないから、電子楽器の単なる広告媒体にすぎないとして、Yの行為はXの商標権を侵害しないと判断した。

 

 

商標法

(定義等)

第二条 この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。

一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの

二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)

2 前項第二号の役務には、小売及び卸売の業務において行われ

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