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2024年03月07日
令和3年特定商取引法・預託法の改正その6 第6章 広告に表示すべき内容の変化と実務で求められること

第6章 広告に表示すべき内容の変化と実務で求められること
 旧法11条は、広告をする場合に契約の主な事項を広告に表示する義務を規定し、表示すべき項目のうち重要なものについては同条で直接規定していますが、その他の項目については法律ではなく施行規則(特定商取引に関する法律施行規則)8条で規定しています。
 今回の改正法では、法律で規定する表示項目について一部追加(改正11条4号)および対象を拡大(改正11条5号)する改正がされました。
 また、令和4年1月4日公布の改正施行規則でも、対象の範囲が一部拡大しました(施行規則8条7号等)。
 こうした変更は、以下のとおり、今後の実務へ影響を与えます。

(1)「定期役務提供契約」について定期契約である旨等の表示を義務化
 旧法では、施行規則8条7号で、定期購入契約の場合には「その旨及び金額、契約期間その他の販売条件」を広告に表示することが求められていました。しかし、その文言上、適用対象は「商品の売買契約」のみであったことから、定期役務提供契約(たとえば、サブスクモデルのサービス提供)についてはこの広告表示規制からは除外されるものと解されていました。
 今回の改正法では、このような限定がなくなり、定期役務提供契約についても上記事項を広告に表示することが義務化されました(改正11条6号、改正施行規則8条7号)。

(2)「役務提供契約」についても申込みの撤回または解除の定めの表示を義務化
 クーリング・オフ類似の法定返品制度と連動する形で広告表示事項とされていた、申込みの撤回または解除に関する事項 1 について、その対象が売買契約だけでなく、役務提供契約にも広がります(改正11条5号)。これにより改正後は、役務提供契約についても、申込みの撤回または解除の定めを広告に明示しなければなりません。
 なお、申込みの撤回は観念し得るとしても、役務提供契約の解除については、一度提供した役務を契約前の状態に戻すこと(いわゆる「巻き戻し」)はそもそも観念しがたいと思われます。そのため、法定返品制度の対象外とされていますが、この点については変更がなかったため、法定返品制度による裏付けがない中で表示義務だけが規定されることになるものと考えられます。
 現在も、特商法上の表記として、「役務であるため、その性質上、返品や返金には応じられません」といった記載を任意で行っている事業者もありますが、今後はすべての役務提供事業者がこうした記載をしなければならないことになります。
 どのような記載が必要となるかについては、今後の通達やガイドライン等で詳細を確認することになるでしょう。

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