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2024年02月06日
民法(物権法・相続法)・不動産登記法・相続土地国庫帰属法の令和3年改正その2 第3章 改正の背景

第3章 改正の背景

2021年4月21日、参議院で「民法等の一部を改正する法律」と「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が可決成立し、4月28日に公布された。

これらの法律(以下「改正法」という)は、「所有者不明土地問題の解消」を主要なテーマとして行われた法制審議会民法・不動産登記法部会(以下「法制審部会」「部会」と略すことがある)での約2年にわたる議論を踏まえてできあがったものであり、不動産登記にかかる手続法レベルの改正にとどまらず、長らく抜本的な改正がされていなかった民法の物権法分野の規定にも大きな変更を加える内容となっている。

 

今回の改正案を審議した法制審議会の資料によれば、法務省の調査によると、最後の登記から50年以上経過している土地の割合は、大都市で約6.6%、中小都市・中山間地域においては約26.6%にも上っています。また不動産登記簿のみでは所有者の所在が確認できない土地の割合が約20.1%にもなっており、これは北海道の面積に匹敵する規模になっています。

 

このようなことから、土地の円滑・適正な利用に支障を来しており、今後、相続が繰り返される中で、この問題がますます深刻になるおそれのあることから、所有者不明地問題の解決は、喫緊の課題とされてきました。

 

今回の法改正は、以上の様な所有者不明地に関する諸々の問題を解決するためになされたものと言えます。

 

そのために、今回の改正は、その範囲が比較的広く、民法の改正部分としては、①相隣関係(お隣さんとの土地の利用に関する諸問題)の見直し、②共有物を利用するためには、共有者を個別に探索して交渉する必要があり、共有者の一部が不明である場合には、その者の同意をとることができず、土地の利用・処分が困難になることなどから、共有制度の見直し、③所有者不明土地の合理化を図るための財産管理制度の見直し、④現行法上は遺産分割に期間制限がなく,相続発生後に遺産分割がされずに,遺産共有状態が継続し,何回も相続が発生した場合に権利関係が複雑化し、また遺産分割がされないために相続登記がされないまま放置されることがあることから、遺産分割を促進するための方策の導入等がなされています。 

 

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