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2023年10月03日
被疑者を所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させて取調べを続行したことが任意捜査の方法として違法とまではいえないとされた事例 高輪グリーンマンション殺人事件

被疑者を所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させて取調べを続行したことが任意捜査の方法として違法とまではいえないとされた事例

高輪グリーンマンション殺人事件

 

 

殺人被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/昭和57年(あ)第301号

【判決日付】      昭和59年2月29日

【判示事項】      1、被疑者を所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させて取調べを続行したことが任意捜査の方法として違法とまではいえないとされた事例

             2、伝聞証言につき異議の申立てがなかった場合の証拠能力

【判決要旨】      1 被疑者につき帰宅できない特段の事情もないのに、同人を4夜にわたり所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させるなどした上、連日、同警察署に出頭させ、午前中から夜間に至るまで長時間取調べをすることは、任意捜査の方法として必ずしも妥当とはいい難いが、同人が右のような宿泊を伴う取調べに任意に応じており、事案の性質上速やかに同人から詳細な事情及び弁解を聴取する必要性があるなど本件の具体的状況のもとにおいては(判文参照)、任意捜査の限界を越えた違法なものとまでいうことはできない。

             2 いわゆる伝聞証言であっても、異議の申立がないまま当該証人に対する尋問が終了した場合には、直ちに異議の申立ができないなどの特段の事情がない限り、黙示の同意があったものとして、証拠能力を有する。

             (1につき意見がある)

【参照条文】      刑事訴訟法197-1

             刑事訴訟法198-1

             刑事訴訟法309

             刑事訴訟法320-1

             刑事訴訟法324

             刑事訴訟法326-1

             刑事訴訟規則205

             刑事訴訟規則205の2

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集38巻3号479頁

             最高裁判所裁判集刑事235号643頁

             裁判所時報885号2頁

 

 

刑事訴訟法

第百九十七条 捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。

② 捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

③ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

④ 前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない。

⑤ 第二項又は第三項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

第百九十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

② 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

③ 被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。

④ 前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。

 

第三百九条 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。

② 検察官、被告人又は弁護人は、前項に規定する場合の外、裁判長の処分に対して異議を申し立てることができる。

③ 裁判所は、前二項の申立について決定をしなければならない。

 

第三百二十条 第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。

② 第二百九十一条の二の決定があつた事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。

 

第三百二十四条 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第三百二十二条の規定を準用する。

② 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第三百二十一条第一項第三号の規定を準用する。

 

第三百二十六条 検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

② 被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。

 

 

刑事訴訟規則

(異議申立の事由・法第三百九条)

第二百五条 法第三百九条第一項の異議の申立は、法令の違反があること又は相当でない

ことを理由としてこれをすることができる。但し、証拠調に関する決定に対しては、相当でない

ことを理由としてこれをすることはできない。

2 法第三百九条第二項の異議の申立は、法令の違反があることを理由とする場合に限りこ

れをすることができる。

(異議申立の方式、時期・法第三百九条)

第二百五条の二 異議の申立は、個々の行為、処分又は決定ごとに、簡潔にその理由を示

して、直ちにしなければならない。

 

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